コカコカ

色々書き連ねたいと思います。

就活のはじまり

はじめまして。
数日前からwebデザイナーの養成科に通っています。

まず、

どうして私がwebデザイナーを目指そうと思ったのか

というお話です。

私は関西まで高校生活を過ごし、
関東の美大で彫刻を学び、別の芸大の大学院で現代アートを勉強し、
大学院を修了してから約1年フリーターをしてきました。

小学生から20年くらい学生をやっていた上に
美大・芸大という自由人の巣窟でずっと過ごしてきたのもあり、
「正社員になって会社にお勤めする」
ということに対して異様に怯えてしまっていて、
「スーツ」とか「満員電車」とか「毎日同じ場所に行く」とか
とにかくそういうのが怖かったんです。

大学4年の時(この段階で就職に対する意識の低さが伺える。。)にリクナビのHPを開いて、
自己分析なんやら~企業の求めるのなんやら~を見て、
大学院に行くことを決心しました。(あかん)

「大学院出る頃にはさすがに就職する気になるだろう!」

と未来の自分に想いを托しての決断でしたが、
芸術大学の大学院にはさらに就職からほど遠い人たちばかりでした。
(私が入学する時から大学院に居て、卒業してもまだいる先輩とかもいらっしゃいます。)

さらに追い打ちをかけたのが、学バスで聞こえてきた会話です。
「院とか入っちゃったら作家になるしかないよね。」
ここでいう作家とは小説家とか本を書く人のことではありません。
芸術作品を作る作家です。
「そっかー。じゃ就職しないで作家になるしかねえな!」
とはたから聞こえてきた会話で就活をあきらめました。

顔を合わせるたびに就職と保険と生涯賃金の話ばかりしてくれる親にも
熱い芸術論を語り通し、
就職しないでフリーターをしつつ芸術家として生きていく旨を理解して頂けました。

そして卒業して1年。
もう学生の時のように月々の奨学金はありません。
むしろ卒業から半年で奨学金を返済が始まりました。
月々結構な額が奨学金返済で消えてゆく。

稼ぎのためにアルバイトをしていると、
「スーツ」こそ着ていないものの「電車で毎日同じ場所に通う」のです。
そして、卒業してから知り合った社会人たちはわりと適当な人が多いのです。
「あれ?もしかして私も仕事に就けば別に鬱とかならずに仕事できてお給料頂けるんじゃね??」
と思い当たりました。

そしてある日、父が母に
「おやつ担当の先生が変わったから、チョコとかあるようになったから嬉しいんやわぁ。」
という話をしていたんです。
父は学校の先生なんですが、職員室におやつ置き場があるらしく
そこに共同のお財布からおやつ係の先生がおやつを買ってきて補充するらしいのです。

なんやそれ。仕事場でおやつて!!

と驚く私に同じく教員をしている母が

「仕事場ってな、特別な場所とちゃうんやで。一日のほとんどそこで過ごすんやからな。仕事場は生活の場の一部なんやで。」

前はおかき系ばっかりやったからな~という話を続ける父の隣で母が発したその言葉は、
母が録画してくれたワープアのドキュメントより、母が調べてくれた年金未払いの差し押さえの話より私の心を打ちました。

就職することって実は怖くないんじゃないか。

それによって自分が制限されることではないんじゃないか。

やっとそのことに気付いたのです。


つづく。